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落ち込んだときは、占いに行くな
占いに興味のある方も、興味のない方も、占いに行くときってどんな時だと思いますか?
「悩んでいる」
「落ち込んでいる」
「どうしたらいいのか分からない」
こんな時に、人は占いをやってみようと思うのかもしれません。
しかし、その思考回路、実は危険です。
占い師の私が、「悩んでいるときに占いに行くな!」というのには、理由があります。もちろん、それを売りにしている方もいらっしゃいますので、絶対にダメだ!とは言いませんし、時と場合にもよります。しかし私個人としては、悩みに悩んでいるときや、落ち込みまくっているときに、占いに行くべきではないと思っています。
【ダメな理由1】凹んでいるときに、人の話を聞くのは難しい
人は悩んでいたり、落ち込んでいたりするとと、冷静な判断ができなくなります。
こういう時は、客観的に自分のことを考えるなんてこと、なかなかできないものです。冷静になろうとしても、傷ついた心が邪魔をして、被害者意識が抜けないのではないでしょうか。
そういう時は、「どうしてこんなことになったのか」という理由を探そうとしますが、それは基本的に「自分は悪くない」と言ってほしいだけ。
たとえ、自分が原因だと分かっていても、誰かに責任を押し付けたい。それができないなら、運気のせいにしたい。そう思うことがほとんどなのですなぜなら、誰かのせいにすれば、運気のせいにすれば、自分は悪者にならなくて済むから。
しかし、落ち込んでいる時の原因は、アドラーが「すべての悩みは人間関係の悩みである」と言っているように、人間関係であることが多いです。その原因が自分にある事も多いのですが、悩んでいたり、落ち込んでいるときは、そんなことを冷静に考えらる状態ではなかったりします。
そういう時に占いに行っても、冷静に話を聞くことはできませんし、もし「自分にも非がある」なんて言われたら、さらに落ち込んで、どうにもならない可能性もあるのです。
落ち込んでいる時に、人からそう言われたとしても、冷静に受け止められますか?私の経験では、落ち込みがひどいときに、自分のことを指摘されて、「なるほど!そうだったのか!悪いのは私だったんだ!!」と納得する人は、ほぼいません。
落ち込んでいるときに、冷静で客観的な判断は難しい。
占い師の言うことを、冷静に聞き、一喜一憂せず、自分で判断するための材料にできるかどうか。それができないのであれば、占いに行くべきではありません。
そういう場合は、まずは落ち着く。嫌なことや悲しいことを吐き出せる場所を見つけて、自分の心を平静に保つのが何より大事です。
占い師に聞いてほしいだけ、という事もあるかもしれませんが、万が一「運勢が悪い」などと聞いてしまうと、その先、ずっと気になって忘れられない可能性がありますので、話を聞いてほしい人は、カウンセラーなど話を聞いてくれる専門のところへ行かれるのをおすすめします。
悩んでいるときに占いに行っても、占い師の言うことは、きっと半分も頭に入ってきません。お金と時間の無駄ですので、まずは落ち着くことが先決です。
【ダメな理由2】「大丈夫」と言ってほしいだけ
落ち込んでいるときや、悩んでいるときに、欲しい言葉はただひとつ。
「大丈夫」
それだけです。
それだけを求めるために、占い師のところへお金を払っていくのは、とてももったいないと思います。側にいる人に話を聞いてもらい「大丈夫」と言ってもらえば、事足ります。
側にそういう人がいない場合でも、カウンセリングなどを受ければ、話を聞いてくれて、ポジティブな言葉をかけてくれるところに行けばいいのです。
なぜなら占いだと、悪い結果が出る可能性もあります。
ただ「大丈夫」と言ってほしいだけなのに、今年の運気が悪いだの、男運がよくないだの、そんなことを言われたら、ただでさえ落ち込んでいるのに、その落ち込みを助長するだけだと思いませんか?
ひどく悩んでいたり、落ち込んでいるときは、占い師にすがるのではなく、友人や家族、あるいは「話を聞く専門家」に力を借りることをおススメします。
そんな時は、例えばこんな人に力を借りてください
- 話をじっくり聞いてくれる友達
- 絶対的に自分の味方をしてくれる家族
- 側で寄り添ってくれるパートナー
- 自分の悩みを分かってくれる同僚
- プロの心理カウンセラー
この段階では、占い師の出番は、まだまだ先です。
きっちり、自分が落ち着いて冷静になった時に、初めて占いを受ける準備ができるのです。
【ダメな理由3】占い依存症になる可能性大
悩んでいるときや、落ち込んでいるときに、占い師にとてつもなく、自分が欲しい言葉をもらい、めちゃくちゃいいことを言われたとします。
弱っているときに、欲しい言葉をもらえた。自分を全肯定してもらえた。それだけで、終わればいいですが、実はそこに危険が潜んでいます。そう、占い依存です。
人は、話を聞いてくれる人を、基本的に信頼する生き物だと言われています。そして、自分のことを認め、励ましてくれる人のことは、さらに好きになる傾向があります。
落ち込んでいたり、悩んでいたり、そんな時にじっくり話を聞いてくれ、全肯定し、良いアドバイスをくれて、その通りになったとしたら…落ち込みや悩みが強ければ強いほど、その人への信頼度が増すのは起こりうることです。
ここで終われば、何の問題もありませんが、誰かに今の悩みを解決してほしい、と思って占いに来る人の場合、その占い師さんを必要以上に信頼しすぎる傾向があるのです。
タロット占い師の友人が、新人の頃体験した占い依存の方のことを教えてくれました。
そのお客様は、最初は小さな悩み相談だったそうです。しかし、友人のタロットに励まされ、勇気をもらい、喜んで帰ってくれた、まではよかったのですが、その後、ほんの小さなことでも、「タロットで占ってください!!」と言ってくるようになったそうです。
彼女は今やとても頼れる、人気のある占い師さんですが、その時の経験から、占い依存は自分で考える力を奪ってしまうから、それを生まないように気を付けていると言っていました。
落ち込みがひどい時に、占い師を頼るということは、自分で考えることを放棄することに繋がりやすい。だからこそ、お客様がひどく落ち込んでいるときには、私は占い鑑定をあえてしないこともあります。
自分で考え、使うための占い鑑定をご提案しています。心が落ち着いてから、鑑定におこしください。
占い鑑定は、落ち込んでいない時にどうぞ
私は占い師として落ち込んでいるときに占いに来ないでください!とお伝えしています。その理由は、この3つ。
- 落ち込んだり、悩んでいるときに、人の話を聞くのは難しい
- 落ち込んでいるときは「大丈夫」と言ってほしいだけ
- 占い師の言うとおりになった場合、占い依存になる可能性が大きい
占いは受けるタイミングが大切です。どうせ、占いを受けるのなら、そのお金と時間を最大限に活用してほしい。だからこそ、落ち込んでいるときに占いに行くのは少しお待ちください。
- 人の意見を、冷静に、客観的に聞くことができ
- なぐさめや「大丈夫」という言葉を期待せず
- 占い結果に踊らされず、自分で判断できるようになったら
その時に、自分の今後の方向性を判断するために、「占い」という選択肢を思い出していただけたら嬉しいです。
占いを受けるタイミング、是非間違えないようにしてください。